ホイール規格で身近なものでは、クルマのホイールサイズがありますが、クルマの場合は結構シンプルです。14インチとか、15インチなどのサイズは、ホイールの外径でをインチで表したものです。1インチ=25.4ミリですから、14インチですと、14×25.4=356ミリのホイール外径になります。実際には、ホイールの幅によって、装着できるタイヤの幅の範囲がありますが、14インチホイールには14インチのタイヤが装着できます。
余談ですが、インチというサイズ表現は、基本的に現在では表現できません。メートル法や最近のSI国際単位のを標準としているためです。日本式の尺や貫目などが正式な寸法として表現できないのと同じです。テレビでは、画面の対角線の長さの大きさを表すのに、インチと言えばわかりやすいのに、32型とか言ってます。画面対角線長さが32インチということですね。今現在ご覧のパソコンもディスプレーのサイズを対角線長さで表しています。
さて、自転車のホイールサイズは、クルマのようにはいきません。26インチ・・じゃない、上に述べたように、26サイズといっても同じ26サイズなのに装着できないタイヤが存在します。---ややこしいので今後インチという表現でご容赦ください---また700Cなどインチ以外のサイズもあったりします。自転車は発祥がドイツであったり、フランスであったり、イギリスであったりしますが、お国によって寸法の基準も違っていたこともあるのでしょう。またアメリカの規格なども入ってさらに混沌となりました。日本も自転車発祥の国であったのなら、尺を基準としたタイヤ規格もできたかもしれませんね。
ラレーをはじめ、スポーツ車に採用されているホイールサイズを考えたいと思います。
なぜ、スポーツ車には、普通の27インチのホイールがあまり採用されないのか。随分昔、スポーツ車が日本に紹介されたときは、イギリス式のもので、その当時は27インチがスポーツ車には主流でした。しかし、フランスやイタリアでは700Cと呼ばれる、メートル基準のホイールが主流であったのです。長い歴史を持ったツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、フランスやイタリアでは、700Cのロードがその頃から標準でした。ロードはチューブラーと呼ばれる、とても厄介な、しかしレースに向く特殊なタイヤが、当時使われていたのですが(今も使われています)、同じホイール規格でW/Oと呼ばれる、普通に見られるタイヤ・チューブ方式の700Cが登場してから、27インチのスポーツバイク用ホイールの風向きが悪くなり、スポーツバイク用は700Cが主流になりました。ロード用だけでなく、幅の広いタイヤもできて、現在主流になったクロスバイクなどにも採用されるホイール規格になったのです。したがって700Cは、装着できるタイヤの種類が非常に多く、20Cなどの非常に細いものから、45Cなど非常に太いもの。また同じ幅でもブロックパターンからスリックまで色々なパターンのトレッドデザインがあり、使用状況にあったタイヤを選べることができます。最近MTBで新規格としてにぎわしている29インチも実は700Cを基準においています。27インチは、それまで27×1-1/8といった非常に細いロード用のタイヤもあったのですが、現在では見つけることが非常に困難です。今は軽快車に多く使われ、27×1-3/8サイズの至極一般的なタイヤのみが流通しています。
700Cは、700ミリということになるのですが、リムの外径も、またタイヤの外径も700ミリにはなりません。700Cリムは、27インチリムに近い寸法なのですが、本来は28インチなのです。700Cのリム外径の基準が635mm、27インチが643mm。実際には、700Cのほうが、27インチのリムよりほんのわずか小さいのになぜ28インチなのか。どうもこの辺になると諸説紛々なのですが、700Cとはインチ規格で言うところの28×1-5/8になります。自転車のホイールサイズは、タイヤを装着した際の外径を表示していました。今の一般的な27インチは、27×1-1/4で、1-1/4=32mm幅タイヤを装着して、タイヤ外径が27インチになり、700Cすなわち28×1-5/8は1-5/8=41mm幅という相当太いタイヤを装着して、タイヤ外径が28インチになります。
タイヤの幅が太い、すなわちタイヤの厚みが大きい分、リムの外径が小さくなり、27インチのリムより小さくなってしまったのです。28インチには、現在で言うところの700C(28×1-5/8)以外に27×1-1/2(700B)や28×1-3/8(700A)などの規格もあったようです。それぞれリムの外径が異なり、装着できるタイヤもそれぞれありました。Cは1-5/8、Bは1-1/2、Aは1-3/8になるわけです。リムも違い、タイヤも違う。これでは、あまりにも複雑で大変ですね。しかし現在でも28×1-1/2規格は、軽快車の28インチモデルで残っています。28インチを700と言ってしまったのは、フランスはメートル法の発祥の国。1インチを25mmに丸めてしまい、28×25=700となったようです。
26インチもまた、様々な規格があったのですが、現在では、MTBの26H/E規格と、一般車用のW/O規格26×1-3/8、あまり26インチとは言いませんが、それとロードやトライアスロンに使われている650Cだけになっているようです。ここでH/EとかW/Oという変なアルファベットが出てきましたが、これはタイヤを装着する部分の規格です。先に27インチと700Cで色々なサイズがあると説明しましたが、これらはすべてW/Oなのですが、H/Eは本当はW/Oとは明らかに違う規格になります。しかし、現在では違いはかなりあいまいになってきているのも事実です。わかりにくいのであえて言わないほうがいいかもしれません。
26×分数表示のものは、26×1-3/8(650A)、26×1-1/2(650B)、26×1-5/8(650C)、26×1-1/4(650表現がない)がありました。1-1/4は、昔27インチのロードではサイズ的に難しい小さなサイズ用のもの、なぜかアメリカのヴィンテージなビーチクルーザーにも使われていたサイズなのも不思議。1-1/2(650B)はフランスタイプのランドナーなどで今でも有名なサイズです。
MTB用の26H/Eは、26×1.75を基準サイズとしています。26×1-3/8が1-3/8=35mm幅タイヤを装着してタイヤ外径が26インチになるのに対して、26H/Eは、1.75インチ=44mmという太いタイヤを装着して、タイヤ外径が26インチになり、したがって同じ26インチでもリム外径が非常に小さくなるわけです。ちなみにリム外径基準寸法は、26×1-3/8が603mm、26H/Eは575mmで同じ26インチなのにその差は28mmで、1インチ以上になっているのです。
ちょっと古くは、ビデオテープ、いえいえ最近では次世代記憶メディアの規格もそうなのでしょうが、ユーザーを悩ませ、迷わせてしまいます。できるなら主流になる規格のものを使いたいのですが、単純に最大派閥だけで動かず、違った要因で主流になってしまうことがあります。自転車を供給する側としては、時折責任を感じてしまうことも多いのですが、勝手な思いではあるのですが、ご理解をいただければ幸いです。
ホイールの規格の詳細などは、また別の機会に譲りたいと思います。 |