ホイールサイズについて
2006/4/30
2015/3/14 更新


(2015/3/14)
レイアウト変更、
追記など
  他のページでも述べていますが、web環境の変化でブラウザにによりレイアウトが崩れてしまっている場合がありましたので、レイアウトを変更、更新しました。
ホイール規格のさらなる詳細については、
「ホイールサイズについて(アドバンス編)」
に記しておりますのでご参照ください。

ホイールサイズ
  自転車で結構やっかいなのは、ホイールサイズについてだと思います。
  スポーツバイクに多く採用されているのは、ロード・クロスバイクの700C、マウンテンバイク(MTB)の26があります。 700Cは、軽快車(ママチャリ)の27インチと似たサイズですが、27インチのタイヤは装着できません。27×1-3/8などの27×分数表示のタイヤは装着できず、700×23Cや700×38Cなどの、700×整数C表示のタイヤが装着できます。タイヤサイズでの、700は700Cリムに適合すること、23Cはタイヤの幅を表しています。23Cなら23mm、38Cなら38mmですが、実際には表記より少し細いことが多いようです。700Cのリムには、すべての700Cサイズのタイヤと互いに互換性があります。極端に言うと、クロスバイクにも、ロード用の700×23Cといったロードバイク用のタイヤも装着することができるのですが、リム幅がタイヤより広くなってしまい、タイヤ本来の性能を発揮できない事など適正ではありません。少なくともリム幅より太いタイヤを装着すべきです。軽い走行を求めて細いタイヤをクロスバイクに装着するなら、普通は28Cくらいまでがいいでしょう。ただしタイヤが細い分、タイヤ外径が小さくなってしまい、ドロヨケが装着されている場合、ドロヨケとタイヤの隙間が空いてしまい、少々見た目が少々悪くなってしまいますが…逆にロードバイクホイールににクロスバイク用の700×38Cタイヤも装着はできますが、今度はリム幅と比べて、異常に太いタイヤとなり、タイヤへのストレスも高くなり、タイヤ寿命が悪くなるだけでなく、フレームとタイヤが接触してしまい、使うことは無理です。ロードバイクは、タイヤとフレームの隙間をできるだけ詰めて、フレームの剛性を高めるように設計もされています(もっとも隙間が大きすぎるとタイトなデザインでなくなりカッコ悪くなります)。ロードバイクは、現在のモデルですと、700×25Cくらいまでが、普通に装着できる限界でしょう。
  同じ太さのサイズでも、色々なタイヤのトレッド(接地面)パターンのものがあります。幅の選択だけでなく、色々なトレッドパターンも選べるなど、用途に合ったタイヤを多くの種類から選べることも、スポーツバイク用のタイヤとして適した仕様でもあるのです。
  MTBの26も、軽快車の26とは異なります。これは、MTBの発祥がアメリカであり、アメリカで主流のH/Eという規格の26サイズで、軽快車はイギリス規格のW/Oの26であるためです。MTBの26は26×1.90など26×の次が小数点表示、軽快車は26×1-3/8といった分数表示です。MTBのホイールには、26×小数点表示のタイヤがすべて装着互換性があります。26×分数表示のタイヤは装着できません。MTBの隆盛もあり、700C同様、非常に多くのサイズ、トレッドパターンのタイヤが存在し、スポーツ用途に向いたホイール規格ともいえます。しかしながら700Cでもあったように、リム幅やフレームの寸法からの適不適があります。小数点表示部分は、23Cと同じでタイヤ幅を表しますが、こちらはインチの単位です。2.00なら2インチ=約50mmのタイヤ幅になりますが、同様に実寸は少し細めです。26×1.00(25mm幅)といった、非常に細いタイヤもありますが、普通のMTBではリム幅のほうが太くなって不適といえますし、またダウンヒル用の26×2.50や2.70などの非常に太いタイヤは、普通のMTBではタイヤとフレームの隙間が無くなったり、接触したりして、使うことができません。現実的には1.50から2.20くらいまでが使える範囲といえます。1.25や1.50サイズなどは、ストリートユースに的を絞ったタイヤが多くあります。舗装路を主体に走るのであれば、26×1.25あるいは1.50タイヤ換装のカスタマイズも考慮してもいいでしょう。軽さがきっと実感できるはずです。また本格的なオフロードを攻めるのであれば、数多くあるオフロード用の高性能タイヤにより、オフロードでのグリップ性・コントロール性を向上させることができます。
  タイヤで重要なのは、サイズやトレッドの選択よりも、まずは適正な空気圧管理です。パンクの原因でも、空気圧不足によるものも多く、街角で走っている自転車の大半が空気圧不足であるのが現実です。空気圧が低いとパンクしやすくなるだけでなく、走りが重くなり間違いなくソンします。自転車のタイヤは、案外じわじわと空気圧が減っていきます。専用工具を持って自転車の各部の調整はできなくてもいいのですが(自転車店さんにお任せしましょう)、空気くらいはいつも自転車店さんの世話にならず、いいポンプを自宅に用意して、空気圧管理をしたいものです。あるディーラーさんが言っていましたが、変速機の調整はできなくてもいい。ツーリングに行くなら、せめてスペアチューブの交換と空気入れくらいはマスターして欲しい。確かに変速機の調子が悪くなっても、ツーリングは続けられますが、パンクしたのでは自転車を押していくしか方法はありません。なるほど、と思いました。
  いいポンプは、気持ちよく軽く空気も入ります。走る前から、空気入れで汗だくになるのもいやですよね。

ホイールサイズ
  ホイール規格で身近なものでは、クルマのホイールサイズがありますが、クルマの場合は結構シンプルです。14インチとか、15インチなどのサイズは、ホイールの外径でをインチで表したものです。1インチ=25.4ミリですから、14インチですと、14×25.4=356ミリのホイール外径になります。実際には、ホイールの幅によって、装着できるタイヤの幅の範囲がありますが、14インチホイールには14インチのタイヤが装着できます。
  余談ですが、インチというサイズ表現は、基本的に現在では表現できません。メートル法や最近のSI国際単位のを標準としているためです。日本式の尺や貫目などが正式な寸法として表現できないのと同じです。テレビでは、画面の対角線の長さの大きさを表すのに、インチと言えばわかりやすいのに、32型とか言ってます。画面対角線長さが32インチということですね。今現在ご覧のパソコンもディスプレーのサイズを対角線長さで表しています。
さて、自転車のホイールサイズは、クルマのようにはいきません。26インチ・・じゃない、上に述べたように、26サイズといっても同じ26サイズなのに装着できないタイヤが存在します。---ややこしいので今後インチという表現でご容赦ください---また700Cなどインチ以外のサイズもあったりします。自転車は発祥がドイツであったり、フランスであったり、イギリスであったりしますが、お国によって寸法の基準も違っていたこともあるのでしょう。またアメリカの規格なども入ってさらに混沌となりました。日本も自転車発祥の国であったのなら、尺を基準としたタイヤ規格もできたかもしれませんね。

  ラレーをはじめ、スポーツ車に採用されているホイールサイズを考えたいと思います。
  なぜ、スポーツ車には、普通の27インチのホイールがあまり採用されないのか。随分昔、スポーツ車が日本に紹介されたときは、イギリス式のもので、その当時は27インチがスポーツ車には主流でした。しかし、フランスやイタリアでは700Cと呼ばれる、メートル基準のホイールが主流であったのです。長い歴史を持ったツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアなど、フランスやイタリアでは、700Cのロードがその頃から標準でした。ロードはチューブラーと呼ばれる、とても厄介な、しかしレースに向く特殊なタイヤが、当時使われていたのですが(今も使われています)、同じホイール規格でW/Oと呼ばれる、普通に見られるタイヤ・チューブ方式の700Cが登場してから、27インチのスポーツバイク用ホイールの風向きが悪くなり、スポーツバイク用は700Cが主流になりました。ロード用だけでなく、幅の広いタイヤもできて、現在主流になったクロスバイクなどにも採用されるホイール規格になったのです。したがって700Cは、装着できるタイヤの種類が非常に多く、20Cなどの非常に細いものから、45Cなど非常に太いもの。また同じ幅でもブロックパターンからスリックまで色々なパターンのトレッドデザインがあり、使用状況にあったタイヤを選べることができます。最近MTBで新規格としてにぎわしている29インチも実は700Cを基準においています。27インチは、それまで27×1-1/8といった非常に細いロード用のタイヤもあったのですが、現在では見つけることが非常に困難です。今は軽快車に多く使われ、27×1-3/8サイズの至極一般的なタイヤのみが流通しています。
  700Cは、700ミリということになるのですが、リムの外径も、またタイヤの外径も700ミリにはなりません。700Cリムは、27インチリムに近い寸法なのですが、本来は28インチなのです。700Cのリム外径の基準が635mm、27インチが643mm。実際には、700Cのほうが、27インチのリムよりほんのわずか小さいのになぜ28インチなのか。どうもこの辺になると諸説紛々なのですが、700Cとはインチ規格で言うところの28×1-5/8になります。自転車のホイールサイズは、タイヤを装着した際の外径を表示していました。今の一般的な27インチは、27×1-1/4で、1-1/4=32mm幅タイヤを装着して、タイヤ外径が27インチになり、700Cすなわち28×1-5/8は1-5/8=41mm幅という相当太いタイヤを装着して、タイヤ外径が28インチになります。
 タイヤの幅が太い、すなわちタイヤの厚みが大きい分、リムの外径が小さくなり、27インチのリムより小さくなってしまったのです。28インチには、現在で言うところの700C(28×1-5/8)以外に27×1-1/2(700B)や28×1-3/8(700A)などの規格もあったようです。それぞれリムの外径が異なり、装着できるタイヤもそれぞれありました。Cは1-5/8、Bは1-1/2、Aは1-3/8になるわけです。リムも違い、タイヤも違う。これでは、あまりにも複雑で大変ですね。しかし現在でも28×1-1/2規格は、軽快車の28インチモデルで残っています。28インチを700と言ってしまったのは、フランスはメートル法の発祥の国。1インチを25mmに丸めてしまい、28×25=700となったようです。
  26インチもまた、様々な規格があったのですが、現在では、MTBの26H/E規格と、一般車用のW/O規格26×1-3/8、あまり26インチとは言いませんが、それとロードやトライアスロンに使われている650Cだけになっているようです。ここでH/EとかW/Oという変なアルファベットが出てきましたが、これはタイヤを装着する部分の規格です。先に27インチと700Cで色々なサイズがあると説明しましたが、これらはすべてW/Oなのですが、H/Eは本当はW/Oとは明らかに違う規格になります。しかし、現在では違いはかなりあいまいになってきているのも事実です。わかりにくいのであえて言わないほうがいいかもしれません。
  26×分数表示のものは、26×1-3/8(650A)、26×1-1/2(650B)、26×1-5/8(650C)、26×1-1/4(650表現がない)がありました。1-1/4は、昔27インチのロードではサイズ的に難しい小さなサイズ用のもの、なぜかアメリカのヴィンテージなビーチクルーザーにも使われていたサイズなのも不思議。1-1/2(650B)はフランスタイプのランドナーなどで今でも有名なサイズです。
  MTB用の26H/Eは、26×1.75を基準サイズとしています。26×1-3/8が1-3/8=35mm幅タイヤを装着してタイヤ外径が26インチになるのに対して、26H/Eは、1.75インチ=44mmという太いタイヤを装着して、タイヤ外径が26インチになり、したがって同じ26インチでもリム外径が非常に小さくなるわけです。ちなみにリム外径基準寸法は、26×1-3/8が603mm、26H/Eは575mmで同じ26インチなのにその差は28mmで、1インチ以上になっているのです。
  ちょっと古くは、ビデオテープ、いえいえ最近では次世代記憶メディアの規格もそうなのでしょうが、ユーザーを悩ませ、迷わせてしまいます。できるなら主流になる規格のものを使いたいのですが、単純に最大派閥だけで動かず、違った要因で主流になってしまうことがあります。自転車を供給する側としては、時折責任を感じてしまうことも多いのですが、勝手な思いではあるのですが、ご理解をいただければ幸いです。
  ホイールの規格の詳細などは、また別の機会に譲りたいと思います。